酵素応用シンポジウム

日本には自然と共生し、資源を大切にする文化・風土があります。また、伝統的に職人が高い志を持ち、匠の技を磨き上げてきた「ものづくり」の国です。当財団は、「ものづくり」の国ならではの酵素利用の振興に貢献することを願い、産業界に影響を与える酵素の基礎または応用研究に対して研究奨励賞を贈呈しております。
酵素応用シンポジウムは、2000年5月にスタートし、その後は毎年6月前半の金曜日に開催しております。毎年、多数の研究テーマから研究奨励賞が厳選され、当日には受賞者にご講演いただいております。また、酵素の応用・関連情報ばかりでなく、異分野のトピックスや文化的な内容も企画講演として提供しております。
研究奨励賞につきましては、産業界に影響を与える酵素の基礎または応用研究を行っている若手研究者からのご応募をお待ちしております。ただし、研究奨励賞の募集対象に、学生と民間企業の研究者は含まれません。
また、酵素利用を検討されている産業界の方々の酵素応用シンポジウムへのご臨席を、心よりお待ち申し上げます。
第27回 酵素応用シンポジウムを開催いたしました
第27回酵素応用シンポジウムを、天野エンザイム慈善堂ホール(北名古屋市)において2026年6月12日(金)に開催いたしました。
当日は多くの皆様にご来場いただきましたこと、心より御礼申し上げます。
本シンポジウムは、研究奨励賞受賞講演7題および企画講演3題により構成されました。
講演に先立ち、研究奨励賞を受賞された7名の先生方に対し、そのご功績を称え、選考委員長の小川順教授(京都大学大学院)より表彰状が授与されました。
企画講演は以下の3題について実施され、いずれの講演におきましても活発な質疑応答が行われ、会場は終始熱気に包まれました。
また本年も、要旨集を和英併載とし、日英同時通訳も行うなど、国内外の参加者が円滑に議論できる環境を整えました。
【企画講演1】
『暴れる気候』と農耕の起源 — 人類は「予測不可能」な時代をどのように生き延びたか —
中川 毅(立命館大学 古気候学研究センター センター長・教授)
【企画講演2】
Cooperative Catalytic Networks: The Chemistry of Enzymes Relies on Physical Steps
Romas Kazlauskas(University of Minnesota, Professor)
【企画講演3】
AI for Science時代の科学技術・イノベーション戦略
永野 智己(国立研究開発法人 科学技術振興機構 研究開発戦略センター 総括ユニットリーダー・フェロー)
講演終了後の懇親の場も含め、研究分野や世代を超えた交流が活発に行われ、多くの方より有意義であったとのお声を頂戴いたしました。
ひとえにご参加の皆様のご支援とご協力の賜物と、重ねて御礼申し上げます。
次回のシンポジウムは、2027年6月18日(金)の開催を予定しております。
皆様と再びお目にかかれますことを心より楽しみにしております。
プログラム
12:30 開会の辞:小川 順(京都大学大学院 教授)
12:35 表彰状授与
【研究奨励賞受賞講演】
<生化学分野>
-
12:50
演題1昆虫酵素触媒場におけるナノカーボン分子変換の分子論的理解
宇佐見 享嗣 (名古屋大学 トランスフォーマティブ生命分子研究所 特任助教)
-
13:05
演題2非生物学的な酵素反応によるバイオプロセスの拡張
加藤 俊介 (神戸大学 先端バイオ工学研究センター 准教授)
-
13:20
演題3ピッカリングエマルションを反応場とする酵素反応の新戦略
鹿又 喬平 (産業技術総合研究所 材料・化学領域 化学プロセス研究部門 主任研究員)
-
13:35
演題4黄麹菌におけるデンプン分解酵素遺伝子とタンパク質分解酵素遺伝子の発現制御機構の解明
田中 瑞己 (東京農工大学大学院 農学研究院 准教授)
-
13:50
演題5生分解性ポリアミド(PA)分解酵素研究による環境中のPA 生分解機構解明
山田 美和 (岩手大学 農学部 生命科学科 教授)
<食品分野>
-
14:05
演題6枝作り酵素と枝切り酵素のバランスに着目した米の澱粉生合成機構の解明
クロフツ 尚子 (秋田工業高等専門学校 創造システム工学科 物質・生物系 准教授)
-
14:20
演題7ヒトミルクオリゴ糖の酵素合成と合成メカニズムの解明
山田 千早 (明治大学 農学部 農芸化学科 専任准教授)
14:35 休憩
【企画講演1】
【企画講演2】
【企画講演3】
17:25 閉会の辞:天野 源之 (一般財団法人 天野エンザイム科学技術振興財団 理事長)
17:45 懇親会