酵素応用シンポジウム

日本には自然と共生し、資源を大切にする文化・風土があります。また、伝統的に職人が高い志を持ち、匠の技を磨き上げてきた「ものづくり」の国です。当財団は、「ものづくり」の国ならではの酵素利用の振興に貢献することを願い、産業界に影響を与える酵素の基礎または応用研究に対して研究奨励賞を贈呈しております。
酵素応用シンポジウムは、2000年5月にスタートし、その後は毎年6月前半の金曜日に開催しております。毎年、多数の研究テーマから研究奨励賞が厳選され、当日には受賞者にご講演いただいております。また、酵素の応用・関連情報ばかりでなく、異分野のトピックスや文化的な内容も企画講演として提供しております。
研究奨励賞につきましては、産業界に影響を与える酵素の基礎または応用研究を行っている若手研究者からのご応募をお待ちしております。ただし、研究奨励賞の募集対象に、学生と民間企業の研究者は含まれません。
また、酵素利用を検討されている産業界の方々の酵素応用シンポジウムへのご臨席を、心よりお待ち申し上げます。
第26回酵素応用シンポジウム
第26回酵素応用シンポジウムが、6月13日(金)に天野エンザイム慈善堂ホール(北名古屋市)にて開催されました。
梅雨の合間で好天に恵まれ、お陰様で例年にも増して多数のご参加をいただきました。
誠にありがとうございました。
シンポジウムは、研究奨励賞受賞講演7題、企画講演2題、及び報告講演1題にて構成されました。
また、講演に先立ち、研究奨励賞をご受賞された7名の先生方には功績を称え、選考委員長の大西康夫先生(東京大学大学院 教授)より表彰状が手渡されました。
企画講演及び報告講演は、以下の演題で行われ、受賞講演同様に、いずれも熱を帯びたご感想やご質問が会場から寄せられました。
【企画講演1】
The Essential Roles of Universities in the Era of Open Innovation
Karin Markides (沖縄科学技術大学院大学 学長兼理事長)
【企画講演2】
Japan as ONLY one ~日本の強みをどう生かすか~
松山 大耕 (妙心寺退蔵院 副住職)
【報告講演】
食品加工用酵素のグローバルレギュレーション
小林 俊一 (天野エンザイム株式会社 品質保証本部 グローバルRA部長)
講演会終了後の懇親会を含め、全体を通じて有意義な時間を共有できたとの声を多くの方からお聞かせいただきました。
ひとえにご出席の皆様のご支援に依るものと、重ねて深く感謝申し上げます。
また今回、要旨集につきご講演者のご協力を得て日英両言語併載とするなど、新しい試みを行いました。
さらに、企画講演及び報告講演では、昨年に引き続き、日英の同時通訳を行いました。
関係各位の柔軟なご協力に深く感謝申し上げます。
次回のシンポジウムは、来年6月12日(金)の開催を予定しております。
またお会いできることを楽しみに、皆様のご臨席を心よりお待ち申し上げます。
プログラム
【研究奨励賞受賞講演】
<食品分野>
<生化学分野>
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演題3
非モデル動植物由来新規アルドキシムおよびニトリル合成・代謝酵素の探索と高度利用
山口 拓也 (富山県立大学 工学部 生物工学科 助教)
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演題4
持続可能なバイオ産業のための酵素研究とタンパク質工学の新技術開発と応用
DAMNJANOVIC Jasmina (名古屋大学 生命農学研究科 准教授)
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演題5
腸内細菌の機能解明に向けた微生物菌叢改変技術の開発
岡野 憲司 (関西大学 化学生命工学部 准教授)
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演題6
計算によるタンパク質デザイン技術を用いた酵素の改造と創出
小杉 貴洋 (自然科学研究機構 分子科学研究所 助教)
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演題7
天然物生合成酵素を用いた複雑修飾ペプチドの化学-酵素合成
松田 研一 (北海道大学大学院 薬学研究院 准教授)