植物チーズ
天野エンザイムの酵素技術により植物チーズの高たんぱく化のニーズに応えます。更に高い伸展性と熱で溶けやすい植物チーズの製造が可能です。
植物チーズとは
植物チーズは穀物、豆類などの植物性原料をベースにした、動物性チーズの代替品です。ブロック、スライス、細切り、チャンク、ウェッジ、スプレッドなど様々な形態で販売されています。健康志向や持続可能な食糧供給を実現するために、非動物性への関心が高まっており、植物チーズを求める消費者も増加しています。2020年に実施された調査によると、米国では成人の25%が外食時にビーガン食を常食または時々食べており、米国では成人の3%がビーガン食を実践していることも報告されています1)。
植物チーズの栄養成分表
- 100g当たりの栄養成分
項目 | 植物チーズ1) | 動物性チーズ2) |
カロリー | 250kcal | 429kcal |
脂肪 | 21g | 36g |
飽和脂肪 | 14g | 21g |
ナトリウム | 0.8g | 0.7g |
炭水化物 | 21g | 0g |
食物繊維 | 0g | 0g |
糖類 | 0g | 4g |
タンパク質 | 0g | 25g |
カルシウム | 0g | 0.7g |
2. 動物性チーズとの比較
植物チーズでは動物性チーズと比較してタンパク質がほとんど含まれておらず、糖質が多いです。米国の調査では、主な原料であるココナッツ以外にも、様々な植物原料(アーモンド、カシューナッツ、オーツ麦、大豆等)を使用した植物チーズがありますが、タンパク質はほぼゼロであり、1食あたりのタンパク含有量が5gに達した製品は全体のわずか3%しかないと報告されています。
植物チーズの現状
通常の動物性チーズは、一般的に良質なタンパク質とカルシウムの供給源と考えられています。植物チーズには、通常の動物性チーズと同様の味、食感、外観、栄養プロファイル、および機能的特性(加熱融解性など)を有する製品が求められています。一方で、市場の植物チーズはココナッツオイルベースを含む製品で多くを占められており、その結果タンパク質をほとんど含まず、糖質、ナトリウム、飽和脂肪酸が多い製品が多数です。動物性チーズのようにタンパク源となるためにはまだ改良が必要であると考えられます。
植物チーズの作られ方
植物チーズは、動物性チーズの製造に使用される技術と同様の技術を用いて製造されます。ココナッツなどの植物由来の油脂やタンパク質、水、乳化剤、安定化剤を含むエマルジョンが作られ、ジャガイモやタピオカ澱粉により硬さや弾力が付与されます。更に食感や物性を改良するために熱、酸、酵素処理がされることもあります。タンパク質を増強するために大豆や他の豆類をベースとし、オーツ麦などの穀物を組み合わせたより健康的な植物チーズの開発が注目されています2)。
天野エンザイムが提供するソリューション
高タンパクでの伸展性の向上
天野エンザイムは植物チーズがタンパク質をほとんど含んでいないという課題について酵素での解決方法を提案しています。
例えばタンパク含量を増やすためにエンドウタンパクを添加するだけでは、植物チーズの伸展性、加熱融解性、ゲル化能が著しく低下します。これらはタンパク質の溶解性が低く、保水力が高いことに起因しています。天野エンザイムの技術で開発されたCheeseMax PBはこれらの問題をすべて解決し、高タンパクでありながら伸展性が高く、熱でとろける植物チーズの開発に役立ちます。
参考文献・引用論文
1) Nutrients 2022, 14, 1247.
2) U.S. Department of Agriculture. FoodData Central. Cheddar Cheese. April 1, 2019.
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