製パン
パンの柔らかさの維持やボリュームアップが可能です。
パンの保存期間
常温でのパンの賞味期限は通常3~7日と言われています1)。これらは温度、湿度、光などの外的要因や保存料使用の有無や水分活性などの内的要因の影響を受けます2)。
パンの保存期間を左右する要因
保存期間を決める要因として、主に「品質の劣化」と「雑菌汚染」があります。品質の劣化はパンの水分が蒸発し、澱粉が老化することで食感、味、香りが低下することを指します。雑菌汚染はいわゆるカビによる腐敗です。
パンの品質が劣化するメカニズム
パンの品質劣化は小麦澱粉の老化に起因します。小麦澱粉は水と加熱により糊化します。これは澱粉のアミロペクチンの隙間に水分子が入り込んだ状態です。パンでは焼成中に糊化が起こり、柔らかいパンとなります。しかし、冷却や時間経過とともに水分子がアミロペクチンから放出されることで硬くなります(老化)。老化によりパンの食感も低下し品質劣化につながります。
パンの保存期間を延ばす方法
1. 品質の維持
パンの食感を維持するためには老化を防止することが重要です。そのために活用されている素材は酵素や乳化剤です。酵素は小麦澱粉を分解したり、改変したりすることでパンに柔らかさを付与し、その柔らかさを長時間維持することを可能にします。乳化剤は小麦粉中の澱粉、特にアミロースと複合体を形成することで澱粉の再結晶化を抑制し、老化防止効果を発揮します。
2. 雑菌汚染の防止
近年ではMAP(Modified Atmosphere Packaging)包装やアクティブ包装のように包装容器内の酸素や湿度を制御する技術も登場し、雑菌汚染のリスクを低下させて賞味期限を延長させることも可能です2)。
天野エンザイムが提供するソリューション
スペシャリティ酵素によるソフトネスの付与と老化防止
天野エンザイムはパンの品質の向上と維持のために酵素による解決方法を提案しています。
ビオザイムAは小麦澱粉を適度に分解することでしっとりとした柔らかさと甘みを付与します。
グライコトランスフェラーゼ「アマノ」は小麦澱粉に枝分かれを増やして保水性を向上させることで、老化防止効果を発揮し、賞味期限の延長に貢献します。
ユニークな酵素でドウを引き締める
グルコースオキシダーゼAC「アマノ」Lは基質特異性の広いグルコースオキシダーゼで唯一無二の酵素です。グルコース以外にも、マルトース(G2)からマルトヘキサオース(G6)まで反応するため、より効率的にドウの引き締めを可能とします。これにより製造工程での歩留まりの向上や焼成時の割れのリスクを低減します。
参考文献・引用論文
1) Healthline, How Long Does Bread Last? October 10, 2019
2) Ital J Food Saf. 2022 Dec 5; 11(4): 10771.
ソリューション一覧
老化防止 | 柔らかさ付与 | ボリュームアップ | 生地引き締め | 乳化剤削減 | |
---|---|---|---|---|---|
グライコトランスフェラーゼ「アマノ」 | |||||
ビオザイムA | |||||
ヘミセルラーゼ「アマノ」90 | |||||
ハイデラーゼ15 | |||||
グルコースオキシダーゼAC「アマノ」L | |||||
リパーゼDF「アマノ」15 |
アプリケーション資料
酵素の活用分野(アプリケーション)と当社製品に関する、様々なアプリケーション資料を用意しております。お気軽にリクエストをお送りください。
アプリケーション資料をリクエスト