タンパク分解

酵素によりタンパク質の溶解性、乳化性、起泡性を向上させ、物性を改良することが可能です。当社は世界トップクラスのプロテアーゼの製品ラインナップを生かしてお客様のご要望にお応えします。

タンパク質の溶解性とは

タンパク質の溶解性は、構成される20種類のアミノ酸により形成される高次構造が関与しています。加熱、pH、凍結融解などの物理、化学的処理により高次構造が崩れることで、溶解性が変化します。

タンパク質の溶解性が重要な理由

タンパク質の溶解性はタンパク素材を豊富に含む食品の物理的特性、加工性、官能特性、保存性、栄養プロファイルを決定する上で重要な役割を果たしています。
例えば、食品、飲料の保存中にタンパク質の溶解性は、外観、沈殿、粘度など、様々な品質特性に影響を与えます。消費時には、タンパク質の溶解性は口当たり、消化性に影響を与えます。このように、タンパク質の溶解性は食品科学において重要なパラメーターであり、食品の開発、製造に影響を与えます1)

タンパク質の溶解性を向上させるための条件

タンパク質の溶解性を向上させる方法としては様々な方法が知られています。

1. 酵素
プロテアーゼによりタンパク質を分解することで溶解性を向上させることが可能です。例えば育児粉乳はプロテアーゼにより乳タンパクを分解することで溶解性を向上させ、お湯に溶けやすくしています。また部分的な酵素分解は溶解性の向上以外にも乳化性や起泡性も向上させることが知られています2)

2.pH
タンパク質はpHにより表面の電荷が変化します。電荷の正負の総和がゼロとなるpHを等電点(Isoretric potint: pI)といい、このpHではタンパク質の溶解性が最小となります。

3. 塩濃度
一般的に適度な低い濃度の塩を加えるとタンパク質の溶解性は向上することが知られています(塩溶)。逆に塩を過剰に添加すると溶解度が減少し、沈殿します(塩析)

有機溶媒におけるタンパク質の溶解性

タンパク質は有機溶媒への溶解性は低く、沈殿します。これはタンパク質表面に結合している水和水が奪われるためです。この原理を使用して生化学の分野ではタンパク質の精製や除去に利用されています。

天野エンザイムが提供するソリューション

豊富なプロテアーゼ製品で要望に応える

酵素により、タンパク質の溶解性を向上させる技術は目的の分解度や乳化性、起泡性などの物性や味を考慮して、素材とプロテアーゼの最適な組み合わせによって行われます。
世界トップクラスの製品数を有する天野のプロテアーゼにより素材と目的に合わせた最適な酵素を提案します。

参考文献・引用文献

1) Food Hydrocolloids Vol. 137, 2023, 108416
2) Nippon Shokuhin Kogyo Gakkaishi Vol. 24, No.10(1977)

商品一覧

プロテアーゼ製品 用途
酸性プロテアーゼUF「アマノ」SD ・アミノ酸系調味料の製造
・ペプチドの製造
・蛋白質の物性改良
・エキスの呈味性向上
・低アレルゲン化
プロテアーゼ  HF「アマノ」150SD
プロテアーゼ  M「アマノ」SD
プロテアーゼ  A「アマノ」SD
プロテアーゼ  P「アマノ」3SD
プロテアックス
ペプチダーゼ  R
ニューラーゼ  F3G
サモアーゼ  PC10F
サモアーゼ  GL30
プロチン  SD-NY10
プロチン  SD-AY10
パパイン  W-40
ブロメライン  F
パンクレアチン  F

Contact

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