サステナビリティのヒントにあふれた日本で
京都・菌塚を訪ねて
目に見えないものに
気づく力を
声なき無数の命への感謝
京都の曼珠院門跡という中世のお寺に、世界でも珍しい菌塚があります。酵素の研究のために犠牲になってくれた無数の菌の命を慈しみ、讃えるために、大和化成株式会社の元社長により、1981年に建立されました。
たとえ目に見えなくても、微生物を単なる材料やモノとして扱うのではなく、命ある生き物として感謝を捧げる。歴史的風土特別保存地区であるこの一画に、菌塚の建立が許されたのも、その想いが多くの日本人に共感できるものだからでしょう。天野エンザイムも、酵素の力をかりて世の中のさまざまな課題の解決を目指していますが、数々の発見の根底にある精神は、無数の小さな命がこの世界を成り立たせているという敬意と、はかりしれない恵みを授けてくれる自然への感謝です。
託されていることに気づく。
これまでみてきたように、天野エンザイムの事業は日本の風土や文化と共にあります。先人から、そして無数の生物から、命を託され、歴史を託され、想いを託された私たちは、次の世代に何を受け渡していけるのでしょうか?人間の認知には限界があります。その答えは永遠に出ないかもしれません。それでも、長い間かけて得た人類の気づきと問いをこの先に受け継ぐためにも、わたしたちは自然への畏怖と敬意、そして感謝を決して忘れずに、事業を続けていきます。そしてこうも思うのです。資源は有限だけれども、人間のアイデアは無限だ、と。たくさんの大切なものを託された存在であることを自覚して、創意工夫し、命をつなぎ続けようと。
〈取材協力〉曼殊院門跡